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フォントの基礎知識
Design
デザインをする上でフォントの選択は欠かせません。なぜならフォントの種類によって印象がガラリと変わってしまうからです。
フォントの種類はとても多く日本語だけでも数千種類、英語では数万種類ありとても覚えるのは不可能です。
しかし見た目の特徴によって数種類に分類することができます。その分類とそれぞれの代表フォントを覚えれば十分仕事で役立てることができます。あとは自分が良いなと思ったフォント少しずつ覚えていけば大丈夫です。全てを覚える必要はありません。
フォントの知識を身に付ければデザインが格段に楽しくなってきます。
最初は違いが分からないかもしれませんが見ていくうちに徐々に違いが分かるようになってきます。そうなれば街で見かけるチラシや看板も楽しくなってきますよ。
まず日本語からご紹介します。
明朝体
明朝体は横線の右側にウロコと呼ばれる三角形があるのが特徴です。横線が細く縦線が太く、手書きのようにはねや払いがあります。長文にしても読みやすく本文によく使われています。
フォーマル、真面目、伝統的な印象を与えます。また使い方次第で上品でエレガントな印象になります。
「リュウミン」「筑紫明朝」「小塚明朝」「ヒラギノ明朝」などがあります。
ゴシック体
縦と横の太さがほぼ均一でウロコのような装飾はありません。フォント自体の歴史が浅いこともあり現代的な印象があります。見出しやタイトルに太いフォントを選ぶとインパクトを出すことができます。
視認性が非常に良く駅のサインや道路標識にも使われます。
「中ゴシックBBB」「筑紫ゴシック」「新ゴ」「じゅん」などがあります。
筆書体
筆やペンで書いたような風合いを持つフォントです。「行書」「草書」「隷書」「篆書」「楷書」といったバリエーションがあり、それぞれで全然雰囲気が異なります。歌舞伎文字で使われる勘亭流は有名です。
「勘亭流」「ヒラギノ行書」「陸隷」「正楷書」などがあります。
次は英語の分類です。
セリフ
明朝体とイメージ的には近いです。セリフと呼ばれる飾りが文字の端にあります。カリグラフィーと呼ばれる、文字を美しく書く手法の流れを汲んでいると考えられます。クラシカル、フォーマル、高級な印象があります。明朝体と同様に長文に適しています。
「Garamond」「Palatino」「Baskervile」「Times」などがあります。
サンセリフ
セリフがなく縦線と横線の幅がほぼ同じフォントです。「サン」が「〜がない」という意味でサンセリフ=「セリフがない書体」という意味です。現代的なイメージがあり、クールな印象にもポップな印象もになります。ゴシック体がイメージ的に近いです。
「Helvetica」「Avenir」「Futura」「Gill sans」などがあります。
スラブセリフ
太く直線的なセリフが特徴フォントです。「スラブ」とは「厚い板」という意味です。目立たせるために開発された書体で、見出しに使うと非常にインパクトがあります。なぜかエジプトっぽいフォント名が多いです。
「Clarendon」「Copperplate」「Memphis」「Cairo」などがあります。
モダン
セリフ体と似ていますが、細い線はより細く、太い線はより太く、コントラストがはっきりしているのが特徴です。都会的でエレガントな雰囲気を持つフォントです。
日本語フォントの「光朝」はこのモダン書体「Bodoni」からインスピレーションを受けて開発されたそうです。
「Bodoni」「Didot」などがあります。
スクリプト
流麗な曲線を持つ、筆記体のような手書きのような印象を持つフォントです。デザインにアクセントをつけたいときに使われることが多く、「ここぞ」という時に使うと素敵な印象になります。長文で使うとほぼ読めません。
「Snell Roundhand」「Zapfino」などがあります。
デコラティブ
日本語、英語に共通で、上記に分類されない書体をまとめて呼びます。「ディスプレイ書体」「デザイン書体」と言ったり呼び方は様々あります。見た目にインパクトがあるものが多く、主に見出しとして使われます。
見ていて楽しいフォントが多いのもこの種類です。見た目が特徴的なので文章に使うには適していません。
代表フォントというものはなくコンセプトに合った書体を選びます。選ぶ楽しさがあるのもこのフォントの魅力です。
「キリギリス」「赤のアリス」「Droog」「Variex」などがあります。
今回紹介した分類が唯一ではありません。ゴシック体と丸ゴシック体を分けていたり、セリフ書体の中にモダン書体が含まれていたり様々です。フォントを効率良く利用出来るようになることが目的なので、分類はそこまで厳密にならなくても良いのかなと思います。
フォントの楽しさを知って、デザインに興味を持って頂ければ幸いです。