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グラフィックデザイナーの巨匠 ポール・ランド
Design
ポール・ランドとは
ポール・ランドは20世紀にアメリカで活躍したグラフィックデザイナーです。CI(コーポレート・アイデンティティ)の仕事が最も有名ですが、グラフィックデザインの歴史にとても大きな影響を与えました。シンプルで洗練されたデザインは広告業界に衝撃を与えました。彼の作品の多くはアメリカ、ヨーロッパ、日本を始め世界中の美術館で影響保存されています。
ランドは「アメリカが生んだ、最もアメリカらしい偉大な芸術家」と言われています。ニューヨーク近代美術館から史上もっとも素晴らしいアートディレクター10名のうちの一人に選ばれるとともに、AIGA(アメリカ・グラフィック・アート協会)、ニューヨーク・アート・ディレクターズクラブ、タイプ・ディレクターズ・クラブから賞を受けるなど、数々業績を残しました。しかしデザインはほとんど独学だったというのは驚きです。
教育にも熱心でイエール大学芸術学部グラフィックデザイン科名誉教授としてデザインを教えていました。日本の多摩美術大学名誉教授でもあります。
ランドの言葉
美しく、目的に適うこと
グラフィックデザインとは見る者に美しいと感じさせるもの、きちんとまとまった一つの構造になっているものであるが、目的に適っていなければ優れたデザインとは言えない、見るものにメッセージを伝えられなければ優れたデザインとは言えない。
また大勢が目にする広告掲示板(ビルボード)から個人的な出産報告書に至るまで美しく、目的に適っていなければならない。
ユーモアの役割
デザインをめぐる様々な状況において、ユーモアには人を惹きつける力がある。ユーモアといっても漫画やジョークを指すわけではなく、デザインが生み出すもっと感覚的なこと–並べたり、結合したり、大きさ・関係・バランス・余白などに手を加えたりといった工夫によって生まれるユーモアのことだ。
形式と表現
直接的な説明をするのではなく、重要なメッセージを見る者の心に浮かぶイメージとして発信できる作品を作ること。それはデザイナーの務めである。見るものを惹きつけ、納得させ、楽しい気分にさせるビジュアル・メッセージに仕上げられたとしたら、作品を目にする人たちに対して責務を果たしこことになる、さらには自分自身に対しても責務を果たしたと言えるだろう。
ポール・ランドの代表的なデザイン
ランドの仕事でまず思い浮かぶのは企業ロゴではないでしょうか。
ロゴはリンクからご確認ください。
IBM
おそらくこのロゴが最も有名だと思います。今も健在です。
<IBM(wikipedia)>
アメリカABCテレビ
こちらも現在も使われています。
<American Broadcasting Company(wikipedia)>
NEXT
スティーブ・ジョブズがかつて創業したネクスト・ソフトウェアのロゴもランドがデザインしました。
<NEXT(wikipedia)>
ウェスティングハウス
<Westinghouse Electric Corporation(wikipedia)>
アメリカの代表的雑誌『エスクァイア』誌のカバーデザインをはじめ、アートディレクションを手がけたことでも有名です。
現在購入できるランドの本
現在Amazonで購入できるランドの書籍は新品2冊、中古本2冊のようです。
『ポール・ランド、デザインの授業』
ランドがアリゾナ州立大学を訪問した際の、教授たちとの会話と学生達の講義の様子をおさめた内容です。
『Paul Rand: A Designer’s Art / ポール・ランド デザイナーの芸術』
ランドの代表的なグラフィックス作品を集めた作品集です。
『ポール・ランドのデザイン思想』
中古本。ランドのデザインに対する考え方が凝縮されています。